うつ病はよく風邪にたとえられます。
しかし、風邪とは違って、長引くことがよくあります。
一年以上症状が続く人が3割近くはいるといわれています。
再発することも多く、米国の研究では、半数以上の人が再発を経験しているといいます。
だからといって、悲観しないでください。長くかかっても、よくなる人はたくさんいます。
また、抗うつ薬などのお薬を辛抱強く飲み続けていれば、再発率をかなり抑えることができます。
こころに作用する薬というと、私たちはつい身構えてしまいます。
ナレが出るのではないか、クセになるのではないか、ボケるのではないかと、心配になります。
しかし、心のエネルギーが落ちているときには、脳の神経の働きのバランスが乱れているのです。
薬はそのバランスの乱れを調節するだけで、けっして人間そのものを変えてしまうわけではありません。
しかし、薬だけでなく、ストレスを少なくするように環境調整をしたり、
気持ちを切りかえて問題を解決できる力を引き出したりすることもとても大事です。
その方法として、認知療法が効果的だということがわかっています。
認知療法は、認知行動療法と言われることもありますが、
考え方のバランスを取ることで、うつ症状を改善する治療法です。
認知療法は、うつ病はもちろん、不安障害など他の精神疾患やストレスにも効果があることがわかっています。