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コラム「認知療法入門」

これは、うつ病・統合失調症などの精神疾患をかかえるご本人向けのメンタルヘルスマガジン
「こころの元気+(プラス)」の創刊号(2007年3月)から2009年4月まで、
「自分でできる認知療法入門」というタイトルで掲載されたものを、本サイト向けに加筆訂正したものです。

お読みいただけるコラムの一覧(全28回)

【どなたでも、お読みいただけるコラム】

    ◆こころが落ち込んでいくとき……
    第1回 認知療法の基本的な考え方

【会員登録後お読みいただけるコラム】

    ◆こころが落ち込んでいくとき……
  • 第2回 認知療法はポジティブシンキングではない
  • 第3回「自動思考」に注目する
  • 第4回 話し合って一緒に考える
    ◆自分の気持ちは、どうすれば切り替わる?
  • 第5回 否定的認知の3徴
  • 第6回 認知の特徴と行動
  • 第7回 認知を変えるにはどうすればいいか
    ◆ケータイ電話で認知療法
  • 第8回 モバイルサイト「うつ・不安ネット」
    ◆「思い込み」から抜け出せないとき
  • 第9回 自動思考を修正する「コラム」
  • 第10回 自動思考の6つの特徴
  • 第11回 認知の偏りを修正する
    ◆別の考え方もあることに気づく
  • 第12回 自動思考に反する事実(反証)について(1)
  • 第13回 自動思考に反する事実(反証)について(2)
  • 第14回 自動思考に反する事実(反証)について(3)
    ◆問題解決の糸口を発見する!
  • 第15回 うまくいかないのは自分だけの責任なのか
  • 第16回 感情をパーセントで表示する
  • 第17回 「適応的思考」を引き出す
  • 第18回 「問題解決」のための工夫
    ◆行動が変われば気持ちが変わる?
  • 第19回 「活動記録表」を活用する
  • 第20回 「行動活性化」の効果
    ◆こうすれば、問題は解決できる!
  • 第21回 問題解決を妨げる自動思考と自己教示
  • 第22回 問題解決のプロセス
  • 第23回 自分一人でできなくてもいい
  • 第24回 「距離の関係」と「力の関係」
    ◆こころがどんどん軽くなるステップ
  • 第25回 うつ・不安に効く7つのステップ
  • 第26回 自分の気持ちを伝えるアサーション
  • 第27回 スキーマを書き換える
  • 第28回 こころを軽くする認知療法の技術

第 1回 認知療法の基本的な考え方

このシリーズでは、認知療法について実践的な立場から解説していくことにしたいと考えています。
しかし、認知療法についてご存じない方もいらっしゃると思いますので、
まず認知療法とはどのようなものかという説明をしたいと思います。

「認知」というとちょっと難しい印象を受ける言葉ですが、
一般的な表現を使えば「ものの受け取り方や考え方」といった意味になります。

私たちは現実を客観的に見ているようで、実際は自分なりの思い込みで見ているところがずいぶんあります。
そして、現実に起きたことを自分なりの解釈で理解して対応しようとするために、実際の現実とずれが出てきます。

そのために、少し考えれば簡単に解決できる問題までも、考える前にあきらめてしまったり、
どのように解決すれば良いかわからなくなったりするようになります。

そのようなときに、もう一度なるべく客観的に現実を見つめ直し、
問題に対処したり解決したりできるようにするというのが、認知療法の基本的な考えです。

認知療法は、まずうつ病の治療として始まりました。

うつ状態になると、私たちは何事も悲観的に考えるようになります。

そのために、本来なら自分の力で解決できることまでも、すぐにあきらめてしまうことになります。

私の例を使って、少し説明してみたいと思います。
私は、そそっかしいので、思いがけない失敗をしてしまうことがあります。

私は講演をするとき、いつもパソコンのパワーポイントというソフトを使います。

しばらく前のことですが、講演の準備をしているときに、
事務局の人に自分のパソコンを持っていって話をするということを伝えました。
ただ、そのころ私が使っていたパソコンは、特別な接続機器が必要なものでした。

その話を事務局の人にすると、その人は会場で本当に使えるかどうか心配をされました。

もし、パソコンがつながらないようなことがあったら、せっかくいらした聴衆の方々に迷惑がかかってしまう。
事務局の人は、そう考えて不安になったのだろうと思います。

このように、現実がはっきりとわからない段階では、
良くないことが起こるかもしれないと考えて不安になることがよくあります。

うまくいかないかもしれない、つまり危険だと考えると不安になるのです。

それに対して私は、今まで問題がなかったので大丈夫だと返事をしたところ、事務局の方は安心したようでした。
危険性が減ったこと、またそれに対処できることがわかったからです。これが、
不安の認知とその解消法ということになります。

ところが、実際の講演の当日に家を出ようとしたときに、その接続機器が見当たりません。
私は、「しまった」と思いました。そのアダプターがないとパソコンはつながりません。

私としては事務局の方に大丈夫ですよと大見得を切っているのですから、申し訳ない気持ちでいっぱいです。
当然かもしませんが、こころの中で自分を責め始めました。

「あんな大見得を切らなければよかった」とか、「こんなことになって恥ずかしい」とか、
「いっそのこと行かないほうがいいんじゃないか」とか、こころの中でいろいろと考えます。

そのとき私は、私なりにいくつかの解決策を考えました。

たとえば、途中でコンピュータ店に行って接続機器を買うという方法があります。

しかしこの解決策も、特殊なものだから売ってないかもしれないので、それだけでは不安です。

ところが、ここで私は他にもコンピュータを持っていることを思い出したのです。

そして、「じゃあ、2台持っていけばいいし、情報を記憶させる媒体(メモリー)を持っていって
会場のコンピュータに情報を移し替えればいい」と考えました。
これで3つの解決方法を考え出したことになります。

そこまで考えて、私はようやく安心することができました。

最初は「思いがけない失敗」のように思いましたが、最終的には「失敗」しなくてすんだわけです。

もし私がうつ状態だったとすれば、
「ああ、やっぱり自分はダメな人間だ。また、こんな失敗をしてしまった」と決めつけて、
自分を責めることになるでしょう。「もう行っても無駄だ、みんなに迷惑をかけてしまう」と考えて、
閉じこもってしまうかもしれません。

しかし、そのように決めつけてしまっては、問題は解決できません。

このようなときに認知療法では、いろいろ柔軟に考えて、問題に対処したり解決したりすることが大切だと考えます。

「やっぱり自分はダメなんだ、いつもいい加減で、もっときちんとしてないといけないのに」と思って
自分を責めたりあきらめたりするのではなく、今のように解決方法を考えていく。

そのための前段階として、認知の修正をしていくことが認知療法の重要なポイントになります。
その方法については、これから少しずつ説明していくことにしたいと思います。

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